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平成29年度会社見学会 株式会社KDDIチャレンジドを訪問

掲載:2017/10/02

平成29年度会社見学会
株式会社KDDIチャレンジドを訪問

 今年度の会社見学会を7月12日(水)に行い、株式会社KDDIチャレンジドを三鷹市内の通所施設に通う当事者の方17名、支援者12名総勢29名で訪問させていただきました。株式会社KDDIチャレンジドは、千代田区飯田橋のKDDI本社ビルの5・6階に本社オフィスを構えています。
 始めに、業務内容を池内公和管理部長からうかがいました。株式会社KDDIチャレンジドは、大手通信事業会社・KDDI株式会社の子会社として2008年4月に設立され、10月には営業を開始しました。2007年9月に発足準備のプロジェクトチームを立ち上げ、わずか1年で特例子会社を設立させた背景には、会社合併が相次ぎ従業員が増加して雇用率を満たす障がい者の採用がなかなか進まなかったことと、総合職・正社員として採用後、障がい者の定着が難しかったことがあったようです。
 設立時には携帯端末分解分別とリフレッシュルームの2事業、社員20名程度でスタートした株式会社KDDIチャレンジドは、現在では知的障がいの方41名、身体障がいの方16名、精神障がいの方56名合わせて114名の方が、14種という多様な業務で活躍されています。

● 携帯端末分類分別業務からカフェ業務まで多様な14事業
 会社説明に続いて業務の様子を見学させていただきました。5階のフロアでは、経理・購買業務支援、携帯端末分類分別、携帯保守センター、リフレッシュルーム業務の方々が勤務されていました。
 経理・購買業務支援は、KDDI株式会社の社員の方たちの出張清算の中間処理や取引先向け支払い伝票審査、同社からの工事発注や物品購入のための発注申請の審査を行っています。落ち着いた雰囲気の中、1人1台ずつのPCに向かって8名ぐらいの方が業務をすすめていました。
 携帯端末分類分別業務では、使用済の携帯電話を資源としてリサイクルするために、精密ドライバーを使用して18種類の部品に分別します。テーブルの上には、各部品を入れるための色分けしたカップが置かれていて、はずした部品でカップがいっぱいになると壁際に設置されているコンテナに入れるようになっていました。まわりが気になってしまう方はついたてで作業スペースを区切ったりイヤーマフを着用したりなど、作業環境への配慮が感じられました。車椅子の方が分解した部品を取りに来てもらうように同僚に頼んでいる様子を目の当たりにし、互いにサポートしあってチームとして仕事を進めている様子を知ることができました。
 リフレッシュルームでは、鍼・マッサージの国家資格を持つチャレンジド社員が、親会社であるKDDI株式会社の社員の方などへ疲労回復や健康維持のために施術を行っています。5室個室があり最大5名の予約が可能で、市価の半額程度で利用できます。予約はもちろん、支払いもITを活用してキャッシュレスで行えるなど、利用者への利便性だけでなく働く方への配慮でもあると感じました。
 1階上の6階では、PCキッティングと法人端末リサイクルセンター2つの業務が行われていました。
PCキッティグとは、各種ソフトウェアのインストールなどをセットアップすることで、KDDI独自のPC仕様にセットして各部署で使える状態にしています。
 法人端末リサイクルセンターでは、法人で使っていた携帯電話の廃棄処理を行っていて、1台1台端末やカード類を分別・破砕していました。
 最後に見学させていただいたのがカフェ業務で、29階にあるKDDI本社のカフェテリア入口付近に2016年6月オープンしました。ハンドドリップで入れる本格コーヒーがコンビニエンスストアと同じ価格で飲めるとあって評判がよく、見学させていただいている間にもマイボトルを持って買いにくる方がいらっしゃいました。現在、飯田橋に続き大阪支社にもカフェがあって、近日中に3号店を新宿に開店する予定があり、研修をされているスタッフの方の姿もありました。

● 経営を安定させていくための「切り出す仕事」と「創り出す仕事」
 印象的だったのは、KDDIチャンジド社には“切り出す仕事と創り出す仕事”があったことです。
 同社が最初に担った業務のうち、携帯端末分類分別業務はほぼ100%リサイクルが可能な携帯電話を分解分別することで企業の社会的責任・CSR活動の一環を果たしています。もう1つのリフレッシュルーム業務は、KDDI本社ビルやグループ企業で働く方々への福利厚生を担っていることになります。
 こうした切り出す仕事に対して、経理・購買業務支援業務は創り出す仕事といえます。経理上のルールや仕様書にのっとった上での作業は決して簡単とはいえません。しかし、従来あった仕事を切りだしていくだけではなく、仕事を創り出すのには4つの目的がありました。1つは障がい者の雇用促進、2つめは一民間企業としての自立、3つめが既存社員のキャリア形成、4つめが採用増加を見据えたリスクへの対応です。
 最後のリスクへの対応というのは、時代の変化によってなくなるかもしれない仕事があることを見越して備えておくということです。市場に出回る携帯電話はスマートフォンが非常に多くなっており、設立当時から行っている携帯端末分類分別業務はいずれなくなってしまう可能性も考えられます。その時でも、法定雇用率を遵守することのできる仕事を確保しておくために、グループ会社として本社に仕事の切り出しを求めるだけでなく、障がいがある社員であってもそれぞれのスキルを磨き、業務の幅を広げることで新しい仕事を創りだしていくという強い姿勢を、現状の状況をうかがって感じました。

● 職場実習とトライアル雇用はKDDIチャレンジド社とのお見合い期間
 では、どのような方をKDDIチャンジド社では求めていらっしゃるのでしょうか。
 気になる採用条件についてもうかがってきました。定期採用は毎春の特別支援学校からの採用で、その他は年齢や障がい種別にはこだわらず、2週間程度の実習を経て採用されます。実習期間中には2回の面談を行って会社との相性とご本人の意思を確認して採用、さらに3ヶ月間のトライアル雇用を経て本採用となります。池内部長は「職場実習やトライアル期間中はご本人と会社のお見合い期間ですよ」と話してくれました。能力があっても周囲と協力できないと、チーム作業が多い同社では採用が難しい場合もあるそうです。
 同社が求めているのは一言でいえば「働く意志が明確な方」。具体的には、与えられた業務ができて、毎日の通勤ができる素直でまじめな人で、指示やアドバイスが理解できる人ということになります。最初は契約社員としての雇用になりますが、早い方で入社1年目、だいたい5年目ぐらいまでには正社員としての登用が検討されています。各チームには指導員が配置されていて、仕事の途中でも相談したいことがある場合には業務に優先して相談にのっていただけるなど、現場での指導にも細やかな配慮が感じられました。
 昼食は大きなテーブルを囲んで食べるのが初代社長の時からの慣習で、今でもこれは行われているそうです。「障がいを盾にするな」と社員に訓示したのも初代社長とうかがいましたが、厳しい中にも暖かさを感じさせる慣習だなと感ました。

● 実際に働くことを視野にいれた様々な質問
 見学後には、参加者からの質問を池内部長に答えていただきました。障がいをもつ方々が実際に働かれている様子を見たことで、参加者の方々は働くことがイメージしやすくなったようで活発に質問が行われました。
 ・入社にあたってどのようなPCスキルが求められるのか。
 ・素直で真面目な人材がほしいというのは、コミュニケーションスキルとやる気ということなのか。
 ・指導員はどういうサポートをしてくれるのか。
 ・カフェの接客以外でコミュニケーションをよく取る仕事はあるのか。
 その他、就労時間の変更は可能か、通院休暇が取得できるのか、給与の査定についてなど、時間の許す限り誠実にお答えいただきました。
 参加された方々からは、
 ・採用される際の基本条件が伺えてお一人お一人の長所にむかい合いながら、支援ができる部分が明確になりよかったです。一民間企業としての自立をめざして、様々な業務運営をされていること、その一端のカフェの運営(雇用)すばらしいと思いました。
 ・実際に現場を見ることがで、働くイメージをすることができた。
 ・静かに業務に取り組めるように配置された机など、障がい者の方たちが集中して働ける環境が整っていて安心しました。
など、実際に企業を見ることで働くイメージをはっきり持てるようになったり、安心して就労を目指すきっかけをつかんだりなど、参加者それぞれにとって得ることの多い見学会となりました。
 最後になりましたが、貴重な機会を設けていただいたKDDIチャレンジド様にこの場を借りて深くお礼申し上げます。

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