10月29日(金)、三鷹市・武蔵野市・ハローワーク三鷹の3所合同開催で「障がい者の就労を考えるつどい2010 ~企業で働くために必要なこと~」を三鷹産業プラザにて行いました。合同開催は今年で3回目になります。当日は当事者、ご家族、企業の方々、福祉・医療・教育関係者、行政の方々など、154名の方々にご参加いただきました。
開会にあたり、三鷹市清原慶子市長からは、市を超えた広域で支援が包括的に連携することで障がい者の就労を今以上に実現していきましょうと、力強いメッセージをいただきました。武蔵野市邑上守正市長からは、武蔵野市障害者就労支援センターあいるとともに行っている市庁舎内実習の成果についてお話いただきました。
始めにハローワーク三鷹の専門援助第二部門統括職業指導官である木村健二氏から、ハローワークが行っている障がい者に対する職業紹介と職場定着支援について講演があり、障害者雇用率制度や障がい者雇用の現状、ハローワークの利用方法について説明がありました。また障がい者への就労支援には、地域の就労支援機関や福祉施設、特別支援学校などと連携をしていくことが重要であり、現在行われている取り組みについてご報告いただきました。
続いて「企業で働くために必要なこと」のテーマでリレートークを行いました。東京障害者職業センター多摩支所の主任障害者職業カウンセラー田川恭子氏からは、Aさんの事例を通して就職に向けて準備することや支援の制度についてお話いただきました。すぐに就職を希望していたAさんが、ご家族の理解と協力を得て作業所の通所を始めることで不安や焦りに対処できるようになり、作業所での準備を足がかりにパートの仕事を始めることができたというプロセスが印象的でした。
次に株式会社ベネッセビジネスメイト(株式会社ベネッセグループ4社の特例子会社)の第二号職場適応援助者(ジョブコーチ)の関川和寿氏より、会社概要や障がいのある方々が行っている仕事の内容のほか、社内での就労支援の体制について事例を交えてご紹介いただきました。また「障がいの有無に関わらず就労をする上で必要な基本的なマナー(挨拶、報告・連絡・相談、時間を守る、体調管理、意欲的に仕事に取り組むなど)を身につけて欲しい」というメッセージをいただきました。
次は武蔵野市にあるNPO法人ミューの就労移行支援事業所ワークショップMEWの職業相談員の中田修三氏より、基礎訓練、実践的訓練、求職活動と段階的に準備し、職業準備性を高める就労支援の流れをご説明いただきました。続いて武蔵野市障害者就労支援センターあいる森新太郎氏より、ワークショップMEWと連携して電気店のバックヤードのお仕事に就職された方について、ワークショップMEWでの日中活動、武蔵野市役所庁舎での実習など就職に向けてどのような準備をしたかご紹介いただきました。その上で当事者ご本人にも体験発表をしていただきましたが、病院のデイケアから着実に準備を重ね、現在苦労はあっても意欲的に仕事に取り組んでいらっしゃるというご発言に、励ましや勇気をもらった参加者の方々も多かったのではないかと思います。
次に西東京市障害者就労支援センター一歩の就労支援コーディネーター橋爪亮乃氏、江口めゆ氏と、高齢者施設でお掃除の仕事をされている当事者の方からご報告いただきました。橋爪氏からセンター内で行っている就職前準備の作業活動をご紹介いただき、江口氏と当事者の方にはインタビュー形式で体験発表をしていただきました。江口氏より「ご本人に合った仕事を見つけることが重要だった」という説明をいただき、ご本人からは「仕事に行きたくない日があっても、自分がやらなきゃいけない仕事だと思うと頑張って行ける」と発言いただきました。ご本人が仕事への頑張りを発揮し維持できるように就労支援をおこなっていくことが大切であると感じました。
最後に三鷹市障がい者就労支援センターかけはしから、作業所通所やかけはしのプログラム、実習を通して職業準備性をはぐくんでいる当事者の方をご紹介し、その方の体験についてご本人の書いた原稿を代読しました。準備を続けながら徐々に自信をつけていらっしゃることを発表でき、支援者としても大変うれしく思いました。
最後の質疑応答では当事者の方々から積極的にご質問をいただき、「企業で働くために必要なこと」というテーマにご関心の高いことを痛感し、企業就労を希望されている方々の少なくないことを実感しました。
参加者の約半数の方々にアンケートにお答えいただきましたので、来年も皆様の期待に応えられるような「障がい者の就労を考えるつどい」を開催したいと思っております。来年も是非ご参加ください。
ご参加いただいた皆様、ご発表いただいた皆様、ありがとうございました。