平成30年度会社見学会
株式会社ベネッセビジネスメイトを訪問
6月27日(水)、株式会社ベネッセビジネスメイトへ三鷹市内の通所施設に通う当事者の方13名、支援者6名総勢19名で訪問させていただきました。株式会社ベネッセビジネスメイトは、多摩センターにあるベネッセコーポレーション東京ビルの中に本社オフィスを構えています。
●株式会社ベネッセビジネスメイトとは?~会社紹介~
はじめに、資料を拝見しながら、株式会社ベネッセビジネスメイトについてお話をお聞きしました。株式会社ベネッセビジネスメイトは、ベネッセグループの特例子会社として2005年2月に設立され、4月より業務を開始しました。Benesse(ベネッセ)とは、ラテン語のbene(良い、正しい)とesse(生きる)を一語にした造語で、ベネッセグループは、人の一生の様々な場面で「よく生きる」を応援する会社として教育・介護・保育などの事業を展開しています。株式会社ベネッセビジネスメイトはベネッセグループの社員が働きやすくなるサービスの提供をしており、働く社員が「よく生きる」、を感じながら自立して生きることができることを目指しているとのことでした。
2018年4月現在、総従業員数は282名、そのうち約半数の147名が障がいのある方とのことで、「障がいのある社員、ない社員共に、お互いを理解し、認め合いながら仲間と協力して仕事ができる職場を目指しています」という会社の理念のもと日々お仕事に取り組んでいらっしゃるとのことでした。147名のうち約半数が知的障がいの方、約4分の1が精神・発達障がいの方、約4分の1が身体障がいの方と、様々な障がいのある方が働いています。
事業内容も、知的障がいの方を中心としたクリーンサービス、メールサービスからはじまり、現在はOAセンター、オフィスサービス、アシスタントサービス、マッサージサービス、スタードーム(プラネタリウムの運営)と、精神障がいの方の活躍の場も増えているとのことでした。
社内での支援および指導体制としては、指導員さんの配置や写真入りのマニュアルや、作業手順やスケジュールの『見える化』の取り組み、拡大鏡やブギーボード(文字で会話をする)、ノイズキャンセリングイヤホンといった道具の用意など、働きやすくなるための工夫をお聞きすることができました。
●百聞は一見にしかず~会社見学~
株式会社ベネッセビジネスメイトの概要をつかんだところで、いよいよ会社見学です。
最初に1階のココラボを見学しました。ココラボとはベネッセコーポレーション東京ビルで働く方々が仕事をするフリースペースで、広いワンフロア―に大小のテーブルが置かれており、見学時もあちこちで会議やミーティングが行われていました。ここではPC貸し出しなどの受付業務を株式会社ベネッセビジネスメイトの社員の方が行っていました。
続いて、社員の皆さんの休憩室である和室を見学しました。ゆっくり体を休められるよう、テーブルと椅子が配置されていました。休憩だけでなく打ち合わせの場としても活用されているとのことでした。
その後クリーンサービスの用具置き場を見学しました。社員一人一人の作業現場を一元管理できるように、ホワイトボードにその日の作業場所を時系列に掲示されていたり、掃除道具は取り間違えがないよう記名されていたりなど、働きやすくするための工夫をみさせていただきました。
続いて4階にあるOAセンターとオフィスサービスを見学しました。OAセンターでは原稿のスキャンや、印刷、製本などを請け負っており、見学時も業務用の複合機で大量の印刷が行われていました。できあがった書類はていねいに梱包され、メールサービスの方々が各部署へ届けてくださるとのことでした。株式会社ベネッセビジネスメイトの社員の方々のチームプレーの一環を垣間見ることができました。
その後エレベーターで最上階の21階に上がり、スタードーム(プラネタリウム)を見学しました。ここでは上映プログラムの選定や受付、休憩スペースの飾りつけなど、運営にかかわる様々な業務に株式会社ベネッセビジネスメイトの社員の方が携わっていらっしゃるとのことでした。最上階からの眺めはとてもよく、晴れている日は西は富士山や東はスカイツリーが見えるとのことでした。実際プラネタリウムも体験させていただきましたが、ゆったりとした椅子に美しい映像、とても心地よい空間でした。
最後に、メールサービスを見学しました。1日2500通ほどの社内定期便や郵便物などを集荷、配達されていらっしゃるとのことでした。配達は、一人一人の机までお届けするていねいな対応で、お届け先の方から直接「ありがとう」と言われることもあり、仕事のやりがいにつながっているとのことでした。また、壁には「個人目標」が掲示されており、よい仕事をするための社員の皆さんの意識の高さを感じることができました。そして、社内便や郵便物の仕分けをする棚はわかりやすく色分けされていたり、スケジュールがホワイトボードで管理されていたりなど、ここでも働きやすさの工夫をたくさん見ることができました。
●株式会社ベネッセビジネスメイトの魅力~いきいき働くことのできるしくみ~
会社紹介と会社見学から、社員の方々が活き活き働くことのできるしくみがいくつもあることがわかりました。ここで、3つほどご紹介します。
①いつでも、だれにでも、どのようにでも相談できる体制
休憩室には、相談箱が設置されており、いつでも紙に書き投函できるようになっていました。また、メールで相談する相談デスクも設置されているとのことでした。また相談箱のそばには相談体制図が掲示されており、顔写真入りで相談できる方が掲示されていました。各部署の上司の方、人事の方のみならず、社長の写真も載っており、まさに、「相談したい時、相談したい人に」相談する体制を整えていらっしゃることがよくわかりました。
②役割を持ち、協力しながら働くしくみ
クリーンサービスの午後のチーム作業では、3チームに分かれて業務をこなしており、各チームにはキャプテン・副キャプテン(各1名)とメンバーがいます。キャプテンはチームのまとめ役、副キャプテンはキャプテンのサポート役、メンバーはキャプテン・副キャプテンに協力すると、それぞれの役割が明確になっていました。さらにキャプテン会議や副キャプテン会議も開催されており、同じ立場の社員同士、知恵を出し合い、協力し、よりよい仕事をしていくためのしくみができていました。
③道具や設備の工夫
どの部署でもホワイトボードを活用した業務管理や、道具や棚などに記名や色分けなどし、目で見てわかる工夫をしており、誰もが働きやすい環境を整えていらっしゃいました。
今回の見学では、それだけでなく設備の工夫も拝見させていただきました。それはシュレッダーの機械です。シュレッダーと言えば紙を機械に投入し、袋に裁断された紙がたまり、最後袋をまとめるところを人の手で行うやり方が主ですが、株式会社ベネッセビジネスメイトでは紙を投入すると、裁断、梱包(5kg程度)まで行う新しい機械を1年前に設置されたとのことでした。以前は一袋30~40kgにもなり、それを運ぶ方々の体の負担はとても大きかったとのことですが、新しい機械に変えとても楽になったそうです。働く方々の将来を見据え、働き続けられるための工夫を幅広く実施していらっしゃることがよくわかりました。
●見学を通してさらに知りたくなったこと~質疑応答
見学会のしめくくりは、質疑応答の時間です。最初に参加者の方からの事前質問に会社の方からお答えいただきました。
入社前に身につけておくとよいこと、求める人材像という質問には共通で3つのことをお聞きしました。1つめは、「得意・不得意を知っておくこと」です。就職はゴールではなく、長く働き続けることが大切です。自分の得意・不得意を知っておくことで職場の中で自分が担える役割が明確になり、結果戦力として長く働き続けることができるので、そのためにも大切であることを教えていただきました。2つめは「自分から相談できること」で、会社として環境を整えていくことはできるものの、一人一人毎日声をかけ確認するにはマンパワー的にも難しく、やはり自分からの「報・連・相」が大切であるとのことでした。そして3つめは「日常生活を整えること」です。仕事上の困りごとは会社が協力できるものの、生活のことはご自身で取り組まなくてはならないことなので、そこは身につけておいてほしいというお話をいただきました。
その他、職場実習についてや給与形態、勤務時間についてなど、様々な質問があり、あっという間に1時間半の見学会が終了しました。
資料に基づいたわかりやすい会社紹介、そして様々な部署の見学、まとめの質疑応答と充実した時間を過ごすことができました。お忙しい中こころよく会社見学会をお引き受けくださいました株式会社ベネッセビジネスメイトの皆様、本当にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。
最後に参加者の皆さんの感想をご紹介します。
・障がいを持っている方たちが実際に働いている様子を見ることができてよかった。また、障がい者でも働きやすいように様々な工夫がされていると聞くことができてよかった。
・特例子会社を実際見ることができてよかった。
・様々な業務で障がいのある方々が活躍されていることが理解できました。
・職種ごとの業務内容が聞けてよかった。
・クリーンサービスについて詳細を聞くことができて大変有意義だった。
・働くために身につけることとして、自分の苦手なこと、得意なことを見つけることが必要だというお話が聞けてよかった。
・働きやすい環境整備がハード・ソフト面共に非常に充実していて、驚きました。
・障がい者の方が仲間同士で働いている事がよかったです。
・障がいを持っていても働くことができる会社について詳しく話を聞くことができて、とてもよい経験になりました。
・参考になることが多く、とても有意義な時間を過ごすことができました。
・大変有意義だった。
・社内を見てまわってよかったです。ありがとうございました。
・皆さんが活き活きと働いている様子を見させていただき、とてもよかったです。
・くわしくお話が聞けてよかったです。